令和6年7月4回目紹介判例
(令和6年7月18日新着判例より)
話題の判決
テレビ、新聞記事などで報道され、注目された最新判決を「話題の判決」としてご紹介します。
【文献番号】 |
25573598 |
・裁判年月日 |
令和 6年 6月21日 |
・文献種別 |
判決/最高裁判所第二小法廷(上告審) |
・事件番号 |
令和5年(受)第287号 |
・事件名 |
認知請求事件 |
・概要 |
いずれも提供精子を用いた生殖補助医療により生まれた第一審原告A及び第一審原告B(上告審上告人)が、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に基づき女性への性別の取扱いの変更の審判を受けた第一審被告(上告審被上告人)に対し、認知を求めたところ、第一審が、第一審原告らと第一審被告との間に法律上の親子関係を認めることは現行法制度と整合しないから、本件各認知を認めることはできないというべきであるなどとして、第一審原告らの請求をいずれも棄却したため、第一審原告らが控訴し、控訴審が、同審判前に出生したAの認知請求を認容する一方、同審判後に出生したBの認知請求を棄却したことから、Bが上告した事案で、嫡出でない子は、生物学的な女性に自己の精子で当該子を懐胎させた者に対し、その者の法的性別にかかわらず、認知を求めることができると解するのが相当であり、そして、本件事実関係等によれば、上告人Bは、被上告人に対し、認知を求めることができるというべきであるところ、それと異なる控訴審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるから、論旨は理由があり、控訴審判決中、上告人に関する部分は破棄を免れず、上告人の請求は理由があるとして、控訴審判決中、上告人に関する部分を破棄し、同部分につき第1審判決を取り消し、上告人が被上告人の子であることを認知した事例(補足意見あり)。 |
【文献番号】 |
25620093 |
・裁判年月日 |
令和 6年 6月11日 |
・文献種別 |
判決/広島高等裁判所(控訴審) |
・事件番号 |
令和5年(う)第24号 |
・事件名 |
電子計算機使用詐欺被告事件 |
・概要 |
被告人が、被告人口座に振り込まれた本件誤振込金が被告人に無関係なものであることを認識しながら財産権の得喪、変更に係る不実の電磁的記録を作るなどして財産上不法の利益を得た行為をしたとして電子計算機使用詐欺の罪で懲役4年6か月を求刑された事案において、原審が被告人を懲役3年に処し、5年間その刑の執行を猶予したところ、(1)刑法246条の2の解釈の前提となる事実を誤認して同条の解釈適用を誤り、被告人に電子計算機使用詐欺罪の成立を認めた原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認ないし法令適用の誤りがある、(2)原審には、審理を尽くさないまま不意打ち的な認定をするなど、判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反があるとして、被告人が控訴した事案で、事実誤認ないし法令適用の誤りをいう論旨は理由がなく、また、訴訟手続の法令違反をいう論旨も理由がないとして、本件控訴を棄却した事例。 |
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