最新判例
 
令和5年2月4回目紹介判例
(令和5年2月23日新着判例より)


話題の判決
テレビ、新聞記事などで報道され、注目された最新判決を「話題の判決」としてご紹介します。


【文献番号】 25572503
・裁判年月日 令和 4年11月25日
・文献種別 決定/東京地方裁判所(第一審)
・事件番号 令和3年(ヨ)第22075号
・事件名 仮処分命令申立事件
・概要 債権者が、工芸美術館新築工事、一体化工事及び公園整備工事と称する各工事の実施を計画する債務者に対し、債務者が、これらの工事の一部である本件各工事を行うことにより、版画美術館と称する建物及びその敷地であって芹ヶ谷公園の一部を構成する本件庭園に係る債権者の著作者人格権が侵害されるおそれがあると主張して、著作権法112条1項に基づき、本件各工事の差止めを求めた事案において、版画美術館は、全体として、「美術」の「範囲に属するもの」であると認められ、かつ、「思想又は感情を創作的に表現したもの」であると認められるから、「建築の著作物」として保護されると示しつつ、本件工事1の1ないし4については、「建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変」として、著作権法20条2項2号が適用されるから版画美術館に係る債権者の同一性保持権が侵害されたとは認められないなどとして、本件申立てをいずれも却下した事例。

【文献番号】 25594097
・裁判年月日 令和 4年 6月28日
・文献種別 審判/福岡家庭裁判所(第一審)
・事件番号 令和3年(家ロ)第1045号
・事件名 仮の地位を定める仮処分申立事件(面会交流)
・概要 別居中の夫婦間において、父である申立人が、母であり、未成年者らを現に監護している相手方に対し、未成年者らとの面会交流を求め、その時期、方法等を定めるよう申し立てた事件を本案として、仮に面会交流を認めることを求めた事案(なお、相手方は、未成年者の長男が申立人の行為に起因してPTSD再燃との診断を受けていること、申立人から生活の監視や精神的いじめ等のDVを受け、別居後も非開示を希望していた住所を探索されるなどし、当事者間に面会交流を実施するための協力関係を築くことが困難であること等を理由に、申立人と未成年者らの面会交流を認めるべきでない旨の意向を有している。)において、実施された申立人と未成年者らとの面会交流の状況を踏まえると、その後の未成年者らに関する診療経過等をもって、面会交流の実施が未成年者の利益に反するものということはできないから、申立人と未成年者らの面会交流を実施するのが相当であるとして、相手方は、申立人に対し、申立人が未成年者らと面会交流することを仮に許さなければならないと命じた事例。


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