最新判例
 
令和4年4月2回目紹介判例
(令和4年4月7日新着判例より)


話題の判決
テレビ、新聞記事などで報道され、注目された最新判決を「話題の判決」としてご紹介します。


【文献番号】 25572056
・裁判年月日 令和 4年 3月22日
・文献種別 決定/最高裁判所第三小法廷(上告審)
・事件番号 令和2年(オ)第1413号
・事件名 損害賠償請求事件
・概要 上告人(控訴人・原告)の夫となるべき者であるAとともに、上告人は上告人の氏を、AはAの氏をそれぞれ称するものとして婚姻届を提出したが、同婚姻届は、民法750条の規定及び戸籍法74条1号の規定に違反することを理由に受理されなかったことについて、控訴人が、本件各規定は憲法14条1項、24条1項及び2項、我が国が批准した市民的及び政治的権利に関する国際規約2条1項及び3項(b)、3条、17条1項、23条各項並びに女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約2条、16条1項(b)及び(g)に違反するものであるから、これを改廃して夫婦同氏制に加えて夫婦別氏制という選択肢を新たに設けない立法不作為は国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けると主張して、被上告人(被控訴人・被告。国)に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として慰謝料の支払を求め、1審判決は上告人の請求を棄却し、控訴審判決も、結果として1審判決は相当であるとして控訴を棄却したため、上告人が上告した事案で、本件上告の理由は、違憲及び理由の不備・食違いをいうが、その実質は単なる法令違反を主張するもの又はその前提を欠くものであり、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとして本件上告を棄却した事例(意見がある)。

【文献番号】 25591862
・裁判年月日 令和 4年 3月11日
・文献種別 判決/大阪地方裁判所(第一審)
・事件番号 平成29年(ワ)第3251号
・事件名 損害賠償請求事件
・概要 刑事事件(いわゆる和歌山カレー事件)の被告人であった原告が、当該刑事事件において鑑定書を提出するなどした被告らに対し、〔1〕被告らによる虚偽の鑑定書の提出等が不法行為に該当し、〔2〕被告らによる記者会見での発言が原告の名誉を毀損するなどと主張して、共同不法行為に基づき、損害賠償金等の連帯支払を求めた事案において、本件各鑑定等が虚偽鑑定ないし偽証である違法である旨の原告の主張については、鑑定人等のその行為が著しく正義に反し、刑事裁判手続の法的安定の要請を考慮してもなお容認し得ないような特別の事情が認められないし、損害及び因果関係の観点からも原告の主張は認められないとし、また、本件記者会見に係る原告の主張についても、仮に、被告らの本件記者会見における本件説明が名誉毀損に該当する違法な行為と評価されるものであったとしても、本件訴え提起までに消滅時効が完成しており、被告らの時効の援用により、原告の被告らに対する名誉毀損を理由とした共同不法行為に基づく損害賠償請求権は消滅したといえるから、原告の主張は認められないとして、原告の請求を棄却した事例。

【文献番号】 25591787
・裁判年月日 令和 4年 2月28日
・文献種別 判決/東京家庭裁判所(第一審)
・事件番号 令和3年(家ホ)第500号等
・事件名 認知請求事件(甲事件、乙事件)
・概要 いずれも提供精子を用いた生殖補助医療により生まれた原告A及び原告Bが、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に基づき女性への性別の取扱いの変更の審判を受けた被告に対し、認知を求めた事案で、原告らと被告との間に法律上の親子関係を認めることは現行法制度と整合しないから、本件各認知を認めることはできないというべきであるなどとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。


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