平成30年10月1回目紹介判例
(平成30年9月28日新着判例より)
話題の判決
テレビ、新聞記事などで報道され、注目された最新判決を「話題の判決」としてご紹介します。
【文献番号】 |
25449676 |
・裁判年月日 |
平成30年 9月14日 |
・文献種別 |
判決/最高裁判所第二小法廷(上告審) |
・事件番号 |
平成29年(受)第347号 |
・事件名 |
地位確認等請求事件 |
・概要 |
被上告人(被控訴人・被告。日本郵便株式会社)との間で、有期雇用契約を締結して就労していたが、雇止めがされた上告人(控訴人・原告)らが、被上告人に対し、各雇止めは、解雇権濫用法理が類推適用されることにより無効であると主張し、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認と、未払賃金及び遅延損害金の支払いを求めるとともに、不法行為に基づき慰謝料の支払いを求めたところ、原判決は、上告人らの労働契約上の地位の確認及び本件各雇止め後の賃金の支払を求める請求をいずれも棄却すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、上告人らと被上告人との間の各有期労働契約が実質的に無期労働契約と同視し得るとして、本件各雇止めが解雇に関する法理の類推によれば無効になるとしながら、本件上限条項によって根拠付けられた適法なものであるとした原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があるとしたが、加齢による影響の有無や程度を労働者ごとに検討して有期労働契約の更新の可否を個別に判断するのではなく、一定の年齢に達した場合には契約を更新しない旨をあらかじめ就業規則に定めておくことには相応の合理性があり、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に抵触しないとした上で、本件各雇止めは適法であり、本件各有期労働契約は期間満了によって終了したものというべきであるとし、上告人らの労働契約上の地位の確認及び本件各雇止め後の賃金の支払を求める請求をいずれも棄却すべきものとした原審の判断は、結論において是認することができるとし、本件上告を棄却した事例。 |
【文献番号】 |
25561140 |
・裁判年月日 |
平成30年 7月 5日 |
・文献種別 |
判決/東京地方裁判所(第一審) |
・事件番号 |
平成27年(行ウ)第524号 |
・事件名 |
難民不認定処分取消等請求事件 |
・概要 |
スリランカ国籍を有する外国人男性である原告は、出入国管理及び難民認定法61条の2第1項の規定に基づく難民認定の申請をしたが、難民認定をしない旨の処分(本件前不認定処分)を受けたため、その取消し等を求める訴えを提起したところ、地裁で、原告が難民に該当することを理由に本件前不認定処分を取り消す旨の判決(前訴判決)がされ、同判決は確定した。ところが、前訴判決の確定後、法務大臣が、本国情勢の改善を理由に、再度、原告に対し、難民認定をしない旨の処分(本件再不認定処分)をし、その後、本件再不認定処分に係る異議申立てについても、これを棄却する決定(本件異議棄却決定)をした。そこで、原告が、前訴判決により本件前不認定処分時における難民該当性が認められた以上、再度の難民不認定処分をするには難民の地位に関する条約1条Cにいう「難民であると認められる根拠となった事由が消滅したため、国籍国の保護を受けることを拒むことができなくなった場合」に該当することを要するものと解すべきところ、原告について上記の場合に該当するとは認められず、本件再不認定処分は違法であるなどと主張して、被告(国)を相手に、本件再不認定処分の取消し、本件異議棄却決定の無効確認及び難民認定の義務付けを求めた事案において、本件訴えのうち本件異議棄却決定の無効確認を求める部分は不適法であるとして却下し、本件再不認定処分の取消請求及び本件義務付けの訴えに係る請求は認容した事例。 |
|
|