最新判例
 
平成23年8月2回目紹介判例
(平成23年8月11日新着判例より)


話題の判決
テレビ、新聞記事などで報道され、注目された最新判決を「話題の判決」としてご紹介します。


【文献番号】 25443576
・判決年月日 平成23年 7月21日
・文献種別 判決/最高裁判所第一小法廷(差戻上告審)
・事件番号 平成21年(受)第1019号
・事件名 損害賠償請求事件
・概要  本件建物をその建築主から購入した上告人が、本件建物にはひび割れや鉄筋の耐力低下等の瑕疵があると主張して、その設計及び工事監理をした被上告人Y1並びに建築工事を施工した被上告人Y2に対し、不法行為に基づく損害賠償として、上記瑕疵の修補費用相当額等を請求した事案の第2次上告審で、第1次上告審判決にいう「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」には、居住者等の生命、身体又は財産に対する現実的な危険を生じさせる瑕疵のほか、放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる瑕疵も含まれるとした事例。

【文献番号】 25471219
・判決年月日 平成23年 5月31日
・文献種別 決定/最高裁判所第三小法廷(上告審)
・事件番号 平成22年(オ)第1594号等
・概要  原告(被控訴人、被上告人兼相手方)が被告ら(控訴人、上告人兼申立人)との間の各放送受信契約に基づき、被告らに対し、それぞれ放送受信料の支払を求めたところ、原判決が、請求を認容した第一審判決を維持したため、被告らが上告した事案において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲及び理由の食違いをいうが、前提を欠くか、その実質は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却した事例。

【文献番号】 25471220
・判決年月日 平成23年 5月31日
・文献種別 決定/最高裁判所第三小法廷(上告審)
・事件番号 平成23年(オ)第406号等
・事件名 損害賠償請求事件
・概要  放送受信契約を締結したのに受信料の未払があると主張する原告(控訴人、被上告人兼相手方)が、被告(被控訴人、上告人兼申立人)に対し、未払受信料の支払を求めたところ、原判決が、請求を棄却した第一審判決を取り消し、請求を棄却したため、被告が上告した事案において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、理由の不備をいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却した事例。

【文献番号】 25443580
・判決年月日 平成23年 5月24日
・文献種別 判決/京都地方裁判所(第一審)
・事件番号 平成21年(ワ)第1643号
・事件名 損害賠償請求事件
・概要  原告が発注したごみ焼却施設建設工事の指名競争入札において、落札予定者を被告とする談合等が行われた結果、落札価格が不当に高くなり、原告に損害が発生したとして、原告が、被告に対し、不法行為に基づき、上記談合等により不当に高額となった工事代金相当額の損害賠償を求めた事案において、被告の落札価格は、アウトサイダーであるCの入札価格との関係で、自由な競争の下で形成されたものと評価するほかなく、本件では結果的に自由競争が阻害されたとは認めることはできないとして、原告の請求を棄却した事例。

【文献番号】 25471495
・判決年月日 平成23年 1月20日
・文献種別 判決/大阪地方裁判所(第一審)
・事件番号 平成19年(ワ)第4860号等
・事件名 損害賠償請求事件
・概要  当時の大阪地方裁判所所長を被害者とする強盗致傷事件において、本件事件に関与したとして捜査の対象となり、のちに無罪等が確定した原告らが、被告大阪府、被告国及び被告大阪市に対し、警察官及び検察官の違法捜査等を理由として、国家賠償法1条1項に基づきそれぞれ損害賠償を求めた等の事案において、警察官の原告Cに対する取調べは、不当な誘導等を伴うものであり、原告Cが取調べ当時15歳の少年であったことに鑑みれば、違法であるというべきであり、こうした誘導等によって得た自白を疎明資料とすることで逮捕状の発付を受け、これに基づいて原告Cを逮捕し、検察官に送致した行為は違法といわざるを得ない等として、各原告に対する被告大阪府による不法行為の成立を認め、原告らの請求をそれぞれ一部認容した事例。

【文献番号】 25443577
・判決年月日 平成23年 1月17日
・文献種別 判決/大分地方裁判所(第一審)
・事件番号 平成21年(行ウ)第15号
・事件名 賦課決定処分取消請求事件
・概要  原告の養親であった亡Aが、原告の養子であるB及びその妻であり原告の長女であるCに対してした遺贈に関し、原告が遺留分減殺請求権を行使した上でB及びCを被告として提起した訴訟において、原告とB及びCとの間で、Bが原告に対し、上記減殺請求に係る価額弁償として、その弁済に代えてB所有の土地を代物弁済することなどを内容とする和解が成立し、原告が上記土地を取得したところ、この土地取得について不動産取得税の賦課決定処分がなされたため、原告が、同処分の取消しを求めた事案において、上記土地の取得は、地方税法73条の7第1号の「相続(包括遺贈及び被相続人から相続人に対してなされた遺贈を含む。)による不動産の取得」には当たらないとして、原告の請求を棄却した事例。

【文献番号】 25471199
・判決年月日 平成22年11月12日
・文献種別 判決/札幌地方裁判所(第一審)
・事件番号 平成21年(ワ)第792号
・事件名 地位確認等請求事件
・著名事件名 Y大学(アカデミックハラスメント)事件
・概要  国立大学の準教授であった原告らが、学生に対するいわゆるアカデミック・ハラスメントを理由に諭旨解雇ないし懲戒解雇処分を受けたことについて、懲戒事由に該当する事実は存在せず、また、同処分は懲戒解雇の濫用に当たると主張して、労働契約上の地位の確認及び賃金の支払を求めた事案で、自身が研究代表を務めるプロジェクトへの参加を半ば強要するなどした原告らの行為は、確かにハラスメントに該当する行為であるが、それ自体が直ちに諭旨免職ないし懲戒解雇に相当するような重大な非違行為であるまでとはいえないとして、原告らの請求をいずれも認容した事例。

【文献番号】 25471365
・判決年月日 平成22年 7月 8日
・文献種別 判決/福岡地方裁判所(第一審)
・事件番号 平成20年(行ウ)第64号
・事件名 裁定取消請求事件
・概要  犯罪被害者の遺族である原告が、処分行政庁に対し、犯罪被害者等給付金の支給裁定を申請したところ、支給しない旨の裁定を受けたことから、国家公安委員会の採決を経て、被告に対し、同裁定の取消を求めた事案で、平成20年改正前の犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律10条2項後段の規定については、所定の7年間の期間の経過前の時点において、給付金の支給裁定に係る申請権の行使が客観的に不可能であるといえるか、又はこれと同視すべき申請権を行使しなかったことが真にやむを得ないといえる特別の事情がある場合には、当該特別の事情がやむまでの間、及び民法の時効の停止に関する規定に照らし、同事情がやんだ後から6か月の間は、除斥期間の経過による効果は生じないものと解するのが相当であるとされた事例。

 
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